IG証券の評判は?5つのメリットと2つのデメリットを徹底解説!
「IG証券」は日本での知名度は、まだそれほどありませんが、世界的には人気の高い証券会社です。
取引ができる通貨ペアが「100種類程度」もあったり、「自動売買システム」があったり、と日本人を主な顧客とする証券会社とは一味違った特色があります。
この記事では、IG証券の「良い評判」と「悪い評判」について説明していきます。また、取引ツールの性能や、「口座開設の手順」なども解説します。
IGグループはイギリスで誕生した歴史ある金融サービス業者
「IGグループ」のIGは「Investors Gold」の略で、日本語では「金の投資家」といった意味になります。その名の通り、金の「スプレッドベッティング」をする企業として、イギリスで誕生しました。
創業45年を超えるIGグループは、金だけでなく「FX」「個別株」「株価指数」「債権」などさまざまな金融商品を扱う金融サービスプロバイダーとなっています。
このIGグループは、2008年に日本の大手FXプロバイダーを買収しました。そのFXプロバイダーを元に、日本市場向けに作られた金融サービス会社が「IG証券」です。
IG証券は通貨ペアの種類が豊富でスプレッドも良心的
IG証券では、約100種類ほどの「通貨ペア」が用意されています。「円」「米ドル」「ユーロ」といった主要通貨以外に、「チェココルナ」「ハンガリーフォリント」「イスラエルシュケル」のような珍しい通貨も取扱っています。
このようにIG証券は選択肢が多いため、世界の経済情勢に合わせて、柔軟に各地の通貨取引を行えます。
また、IG証券のFXは、通貨ペアの「スプレッド」の幅が狭く、少ない手数料でFXの売買ができるようになっています
IG証券の会社概要と連絡先
IG証券の概要及び、連絡先は次の通りです。
項目 | 詳細 |
---|---|
商号 | IG証券株式会社(IG Securities Limited) |
本社 | 東京都港区六本木1-6-1 泉ガーデンタワー26F |
問い合わせ先 | TEL:0120-257-734 Email: info.jp@ig.com |
創立 | 2002年12月3日 |
IGグループ自体も45年と創業から長い歴史を持つ企業ですが、日本のIG証券も約20年存続している安定した金融取引業者となっています。
IG証券が良い評判を得ている5つのポイントを紹介
IG証券は、次のような5つの点で評判の良い会社となっています。
では、それぞれの項目について詳しく確認していきましょう。
1.IG証券は世界中から人気の大手企業で信託保全を採用!
IGグループは、世界3大証券取引所の1つである「ロンドン証券取引所」における上場企業です。その上、日経平均のロンドン版とも言うべき「FTSE250種総合株価指数」を構成する指標銘柄の1つとなっています。
また、日本以外でも全世界15カ国に展開しており、総計23万を超える人がIGグループのサービスを使っています。
IG証券では、顧客から集めたお金は、みずほ信託銀行と三井住友銀行の「専用信託口座」に入れられます。専用信託口座の資産は、IG証券の資産とは別個に管理され、IG証券の活動に流用されることはありません。
そのため、もしもIG証券が倒産するような事が起こっても、顧客の資産は保証されています。
また原則として専用信託口座は、IG証券ではなく「信託銀行」の破産などに対しても保護されています。
2.IG証券は通貨ペアの種類が他社よりも多い
IG証券では、どの証券会社でも取り扱っている「主要通貨」の他に、「オセアニア-アジア通貨」「北欧通貨」「新興国通貨」など、さまざまな通貨ペアが用意されています。実際にIG証券が取り扱っている通貨ペアは、次の通りです。
地域・特性 | 通貨ペア |
---|---|
主要通貨 | 米ドル/円、ユーロ/円、ユーロ/米ドル、豪/ドル円、豪/ドル米ドル、英ポンド/円、英ポンド/米ドル |
非主要通貨 | カナダドル/円、スイスフラン/円、メキシコペソ/円、南アフリカランド/円、カナダドル/スイスフラン、ユーロ/カナダドル、ユーロ/スイスフラン、ユーロ/英ポンド、ユーロ/シンガポールドル、ユーロ/南アフリカランド、英ポンド/カナダドル、英ポンド/ユーロ、英ポンド/スイスフラン、英ポンド/シンガポールドル、英ポンド/南アフリカランド、ノルウェークローネ/円、スウェーデンクローナ/円、ポーランドズロチ/円、シンガポールドル/円、米ドル/香港ドル、米ドル/カナダドル、米ドル/スイスフラン、米ドル/シンガポールドル、米ドル/南アフリカランド |
オセアニア・アジア | NZドル/円、豪ドル/カナダドル、豪ドル/スイスフラン、豪ドル/ユーロ、豪ドル/英ポンド、豪ドル/NZドル、豪ドル/シンガポールドル、ユーロ/豪ドル、ユーロ/NZドル、英ポンド/豪ドル、英ポンド/NZドル、NZドル/豪ドル、NZドル/スイスフラン、NZドル/ユーロ、NZドル/英ポンド、NZドル/米ドル、NZドル/カナダドル |
欧州通貨 | カナダドル/ノルウェークローネ、スイスフラン/ノルウェークローネ、ユーロ/デンマーククローネ、ユーロ/ノルウェークローネ、ユーロ/スウェーデンクローナ、英ポンド/デンマーククローネ、英ポンド/ノルウェークローネ、英ポンド/スウェーデンクローナ、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナ、米ドル/デンマーククローネ、米ドル/ノルウェークローネ |
特殊通貨 | トルコリラ/円、スイスフラン/ハンガリーフォリント、スイスフラン/トルコリラ、ユーロ/チェココルナ、ユーロ/ハンガリーフォリント、ユーロ/イスラエルシュケル、ユーロ/メキシコペソ、ユーロ/ポーランドズロチ、ユーロ/トルコリラ、英ポンド/チェココルナ、英ポンド/ハンガリーフォリント、英ポンド/イスラエルシュケル、英ポンド/メキシコペソ、英ポンド/ポーランドズロチ、英ポンド/トルコリラ、米ドル/チェココルナ、米ドル/ハンガリーフォリント、米ドル/イスラエルシュケル、米ドル/ポーランドズロチ、米ドル/トルコリラ |
新興国通貨 | ブラジルレアル/円、米ドル/ブラジルレアル、米ドル/インドルピー、米ドル/韓国ウォン、米ドル/フィリピンペソ、米ドル/台湾ドル、米ドル/インドネシアルピア |
このように、他の証券会社では買えない珍しい通貨ペアも多くあります。そのため、市場の動きが少ない時でも、様子見を減らして、動きの大きい通貨で勝負できるようになっています。
3.IG証券のスプレッドは業界最狭水準の狭さ
IG証券は、スプレッドが他の証券会社と比べても狭く抑えられているため、取引による損失を少なくすることができます。
IG証券の1注文100ロットまでの標準銘柄のスプレッドは、次のようになっています。なおスプレッドは、取引時間により数値が異なります。
通貨ペア | 午前9時~翌午前3時 | 午前3時~午前9時 |
---|---|---|
ユーロ/米ドル | 0.4ポイント | 9.0ポイント |
豪ドル/米ドル | 0.6ポイント | 9.0ポイント |
英ポンド/米ドル | 0.9ポイント | 21.0ポイント |
米ドル/円 | 0.2銭 | 11.0銭 |
ユーロ/円 | 0.5銭 | 19.0銭 |
豪ドル/円 | 0.7銭 | 16.0銭 |
英ポンド/円 | 1.0銭 | 32.2銭 |
NZドル/円 | 1.1銭 | 11.0銭 |
メキシコペソ/円 | 0.3銭 | 3.0銭 |
カナダドル/円 | 1.7銭 | 14.0銭 |
スイスフラン/円 | 1.8銭 | 18.0銭 |
トルコリラ/円 | 1.7銭 | 10.0銭 |
南アフリカランド/円 | 1.0銭 | 5.5銭 |
これらのスプレッドは、あくまで現時点での数値を示しているだけで、固定値というわけではありません。重大な経済指標が発表される時や、通貨の流動性が低下した時などにはスプレッドの幅が大きくなります。
4.ノースリッページ注文とプライス最適化で有利な約定をしやすい
FXの場合、市況によって「注文」した値と、実際に「約定」する値が異なることがあります。この注文と約定の差は、「スリッページ」と呼ばれています。
基本的にスリッページは、不利な方向にすべりやすいため、スリッページが大きいと取引による損失も大きくなってしまいます。
しかしIG証券の場合、スリッページが起こらない「ノースリッページ注文」が可能です。
確実に狙った約定ができますので、予定外の損失を防げます。ただしノースリッページ注文をする場合、「ノースリッページ注文保証料」が必要です。ノースリッページ注文保証料は、「保証料×1ピップ相当額×取引ロット数」となっています。
またIG証券の約定は、「プライス最適化機能」によって行なわれます。プライス最適化は、顧客に不利な価格にならないような、「ベストタイミング」で約定するシステムです。このシステムによって、他の証券会社を使うよりも、良い取引き結果が出やすくなっています。
5.IG証券はグローバル展開しているため世界的な売買比率がわかる
IG証券を使っていると「売買比率」を知ることができます。売買比率とは、IG証券を使っているトレーダーが、「ロング(買い)」と「ショート(売り)」のどちらのポジションで持っているかの割合を示すものです。
売買比率自体は、さまざまな証券会社が公開していますが、主に日本だけで営業している証券会社だと、ポジション情報が日本のものに偏ってしまいます。
その点IG証券なら、グローバルな展開をしているプロバイダーのため、より精度の高いポジション情報を得られます。
特に「円」を含まない通貨ペアでは、海外の売買量が多くなるため、IG証券で売買比率を確認する価値が高くなります。
IG証券が悪い評判を受けている2つのポイントを紹介
IG証券もすべての面で評判が良い、というわけではありません。次のような2つのポイントでは、評価が下がっています。
では、これらのデメリットについて詳しく説明していきます。
1.IG証券は使っていないと口座管理手数料が発生する
IG証券を普通に使っている分には、「口座管理手数料」は取られません。しかし次の条件をすべて満たすと、口座管理手数料が発生します。
- 過去6ヶ月以上に渡って取引がない
- 過去6ヶ月以上に渡ってポジションを持っていない
- 口座に証拠金残高がある
つまり、半年間IG証券を使っていないと、口座管理手数料を取られるということになります。口座管理手数料は、月に「550円(税込)」です。この手数料は、条件が満たされている限り毎月発生してしまいます。
ただし、口座に証拠金残高がない場合は条件を満たしませんので、手数料分が借金として毎月増えるということはありません。
口座管理手数料は、あくまで長期間IG証券を使っていない時に発生するものです。そのため、通常は意識する必要はありません。情報収集用にIG証券に口座を作って、実際の利用をしないといった使い方だと、手数料を取られてしまうので注意してください。
2.IG証券は最低取引単位が1万通貨で小回りが効かない
今、米ドル/円は「1ドル/110円」程度ですが、110円を払って1ドルを買うというわけにはいきません。あまり細かい単位で売買をさせるのは効率が悪すぎるので、証券会社ごとに「最低取引単位」を決めているからです。
IG証券の場合、最低取引単位は「1万通貨」となっています。
つまり最低でも、110万円を払って、1万ドルを買う取引をしなければならないということです。この取引をするためには、証拠金として「44,000円」が必要になります(個人口座のレバレッジが25倍のため)。
もちろんこれは米ドル/円での話であって、必要な証拠金は通貨ペアによって変わります。しかし主要通貨では、最低単位の取引でも50,000円程度の証拠金は必要だ考えて、大きな間違いはありません。
トレーダー側からすると、最低取引単位が小さいほど、細かくポジションを持てて便利です。他の証券会社には、最低取引単位が「1,000通貨」のところもありますので、この点ではIG証券の評価を下げざるをえません。
IG証券の取引ツールはパソコン・スマホ・タブレットに対応
IG証券では、「パソコン」もしくは「スマホ」「タブレット」でトレードをすることができます。
自分が使用する端末がパソコンの場合、面倒なインストール作業無しで「ブラウザ」から簡単にIG証券のプラットフォームにアクセスできます。
スマホかタブレットで取引をしたい場合は、それぞれ専用アプリのダウンロードが必要になります。
IG証券のパソコン用プラットフォームは軽快で使いやすい
IG証券のウェブベースプラットフォームは、海外で人気の高い高性能なものです。「FX」「バイナリーオプション」「株式CFD」「株価指数CFD」「債券CFD」「商品CFD」に対応しています。
チャートシステムには、HTML5技術が使われており、サクサクと軽快にトレードができるようになっています。もちろん、チャート上から「ワンクリック」で、直接注文を出すことも可能です。
また情報サービスとしては、「ロイターニュース」の日本語版に加えて、おもな経済メディアのTwitterフィードもあり、取引をしながら同じ画面でニュースの確認をすることができます。
また、より細かいテクニカル分析を使いたい場合、「ProRealTimeチャート」アクセスすることも可能です。
テクニカル分析と自動売買ができるProRealTimeチャートもある
IG証券では、テクニカル分析を重視したトレードをする人のために、ProRealTimeチャートを用意しています。ProRealTimeチャートなら、基本のブラウザプラットフォームよりももっと多くのテクニカル指標を利用してのテクニカル分析が可能です。
また、ProRealTimeチャートには「自動取引システム」が搭載されており、設定によって自動的にトレードをさせることができます。
ストラテジーを作成し、設定を行えば、パソコンを閉じている時でも勝手にトレードを行ってくれます。
全体的にProRealTimeチャートは、海外でメジャーな「MT4」と似た機能を持ったツールです。そのため、MT4に慣れている人なら違和感なく使いこなせるでしょう。
ただし、ProRealTimeチャートは、1ヶ月の取引回数が3回以下の場合、利用料金「4,000円(税込)」がかかります。そういった意味でも、上級者向けのトレードツールだと言えます。
携帯端末用のトレードアプリ
基本的にスマホでもタブレットでも、携帯端末用のトレードアプリに大きな違いはありません。アプリは、「FX」「株式CFD」「株価指数CFD」「債券CFD」「商品CFD」に対応しています。
アプリ版でもチャートからの直接取引は可能ですし、「チャート」「分析ツール」「多様な注文方法」など、基本的なトレード機能は用意されています。ただしロイターニュースは閲覧不可能です。
そのため、取引にテクニカル分析よりもファンダメンタルズ分析を重視している人は、パソコンでブラウザ版を使ったほうが適しています。
IG証券の口座開設の手順を解説
IG証券は口座は、公式サイトからネットで簡単に作ることができます。
まずはこちらのボタンをクリックし、公式サイトを確認しましょう。
口座開設の手順は、次の通りです。
- ブラウザで公式サイトを開く
- 口座開設申込フォームに必要事項を入力する
- 必要書類を提出する
- 審査
- IG証券から書類が送られてくる
- 書類の情報を使って取引口座にログインする
- 口座に入金する
IG証券の公式サイトには、「口座開設用フォーム」が用意されています。表示にしたがって氏名やメールアドレスなどを入力していけば、申込みが完了するようになっています。
口座開設には、「本人確認」が必要です。そのため、「スマホ」によって本人確認をするか、本人確認書類を「アップロード」します。
その後「審査」に通ると、「振込口座」の情報と、取引に関する資料が入った書類が届きます。
届いた書類に書かれている情報を元にログインして、「口座有効化」処理を行い、次に入金を行えば、口座開設は完了です。
スマホで口座開設する場合に必要な本人確認書類
口座開設に必要な本人確認書類は、スマホで本人確認をするか、本人確認書類をアップロードするかによって変わってきます。スマホで本人確認をする場合、次の2つです。
- 運転免許証
- マイナンバー確認書類
マイナンバー確認書類は、「個人番号カード」でも「通知カード」でもかまいません。
アップロードで口座開設する場合に必要な本人確認書類
本人確認書類をアップロードする場合に必要なのは、「マイナンバー確認書類」と「住所確認書類」の2種類です。
マイナンバー確認書類として使えるのは次の3つです。このうちのどれか1種類のコピーを提出します。
- 個人番号カード(両面)
- 通知カード
- マイナンバーの記載がある住民票
住所確認書類として使えるのは、次の10個です。通常はこのうち1つのコピーが必要です。ただし、マイナンバー確認書類として通知カードを使った場合、2つのコピーが必要になります。
- 運転免許証
- 運転経歴証明書
- 健康保険証
- 住民票
- パスポート
- 在留カード
- 特別永住者証明書
- 住民基本台帳カード
- 納税証明書
- 社会保険料の領収書
通知カードには住所の記載がないため、住所確認書類が2つ必要になってくることに注意してください。
IG証券はメイン口座として大口運用するのに適している
IG証券は、海外で人気のあるIGグループに含まれている証券会社です。世界的に使われているプロバイダーのため、日本人が主な顧客である証券会社と違って、通貨の売買比率などで世界の情報を集めやすくなっています。
IG証券の長所は、通貨ペアが「100種類程度」あるという選択の自由さと、それぞれの通貨ペアの「スプレッドの狭さ」です。またスプレッドの狭さに加えて、「プライス最適化機能」もあるため、FX取引を有利に進めやすくなっています。
その反面、最低取引単位が「1万単位」と高めであったり、口座管理手数料が発生する可能性があったり、と不便な点も見受けられます。
そのため、IG証券の利用に適しているのは、IG証券をメイン口座として、頻繁にFX取引を行う人です。