自己破産経験者でもクレジットカードは使えるの?可能性を徹底検証
お金に関する失敗は、どなたにでも起こり得ることですよね。そこで今回の記事は「自己破産とクレジットカード」をテーマにしました。
自己破産するとどういうことが起きるのか、申し込めるカードはあるのかなど、クレジットカードに的を絞って検証していきます。
正しい知識さえあれば、イザという時にも困りません。自己破産した人、またこれから手続きしようとしている方は、ぜひ最後までお付き合いください。
自己破産するとクレジットカードはどうなるの?手続き直後からの注意点
自己破産すると、それまで持っていたクレジットカードはどうなるのでしょう?また新しいカードは作れるのでしょうか?まず最初に、自己破産の手続き直後に起きることから見ていきたいと思います。
自己破産の手続きには時間がかかる
自己破産は基本的にはとても時間のかかる手続きです。弁護士に依頼してから手続きがすっかり終わるまでには、最低でも数ヶ月、場合によっては1年以上を要します。
(2) 依頼が受任される
(3) 債権者に受任通知が送付される
(4) 申立書が作成される → 数ヶ月を要する
(5) 裁判所に申立書が提出される → 破産手続き開始
(6) 裁判所から免責許可が出る → 数ヶ月を要する
(1)?(6)まで段階ごとに課題や注意点がありますが、クレジットカードの取り扱いについては、(2)の依頼受任の直後から気をつけねばなりません。
保有カードはすべて強制解約される
(2)で自己破産の依頼が受任されると、その直後から保有しているクレジットカードは一切使えなくなります。もちろんキャッシングもショッピングもダメです。
(3)で全ての債権者に受任通知が送付されると、クレジットカードも強制解約されます。なので遅かれ早かれ、保有していたカードはすべて使えなってしまいます。
しかし手続きにはタイムラグがありますから、その間にうっかりカードを使わないよう、気をつけなくてはなりません。
クレジットカードにはハサミを入れて処分
最近のクレジットカードには以下のような新しい決済方法が搭載されていることがありますが、自己破産の手続きに入ったら勿論これらも使えなくなります。
× アメックスのタッチ決済
× Mastercard コンタクトレス
× JCB コンタクトレス
タッチ決済やコンタクトレスは、レジのリーダーに軽くタッチするだけで決済できるので、うっかり使わないよう注意してくださいね。自己破産の依頼が受任されたら、クレジットカードにハサミを入れてスッパリ処分しましょう。
なおカードに貯まっていたポイントは、自己破産をすると決めたらなるべく早く使い切りましょう。
クレジットカードが強制解約されると、ポイントやマイルはすべて失効してしまいます。
紐づく追加カードも使えなくなる
うっかりしやすいのが、以下のような追加カードです。これらはクレジットカードと直接紐付いていますから、依頼が受任されると同時に利用を止めなくてはなりません。
× ETCカード
特に家族カードは家族が知らずに使ってしまうといけないので、早めに回収した方がいいですね。
ETCカードも速やかに車載機から取り外し、ハサミを入れて処分しましょう。なおETCが使えないと不便だという方には、クレジットカードなしで契約できるETCパーソナルカードを申し込んでください。
スマートフォン決済は一部利用が制限される
ではスマートフォン決済はどうでしょうか? Apple Pay と Google Pay は、iD と QUICPay が使えないため一部の利用に制限が生じますが、全く使えなくなる訳ではありません。
iD もしくは QUICPay を通じての決済はできないものの、Suicaなど電子マネーについては、現金や口座でチャージすることで利用を継続できます。
スマートフォン決済 | 自己破産後の利用 |
---|---|
Apple Pay | × iD × QUICPay ◯ Suica:現金チャージ ◯ PASMO:現金チャージ ◯ ポイントカード |
Google Pay | × iD × QUICPay ◯ Suica:現金チャージ ◯ WAON:現金/口座チャージ ◯ nanaco:現金チャージ ◯ 楽天Edy:現金/口座チャージ ◯ ポイントカード ◯ 航空チケット |
使えなくなるのは iD と QUICPayだけですから、その他の電子マネー(クレジットカード以外でチャージ)、ポイントカード、航空チケットについては、以前のままアプリで使い続けても構いません。
自己破産直後は新たに審査を受けても通らない
「持っていたカードが使えないのなら、新しくカードを作ればいい」と思った方もいるかもしれませんが、勿論これもNGです。
自己破産すると、原則的にはすべてのクレジットカードやローンの審査に通らなくなるからです。
保有していたクレジットカードと同じカード会社だけでなく、他のカード会社で申し込んでも結果は同じです。自己破産すると、基本的にどのクレジットカードやローンの審査にも通りません。
自己破産がクレジットカード審査に影響する理由!信用情報機関とは?
それにしても自分が持っていたカードが強制解約になるのは当然にしても、それ以外のカードの審査にまで通らなくなるのは一体どうしてなのでしょう?その秘密は「信用情報機関」にあります。
審査では必ず信用情報がチェックされる
クレジットカードの審査では、申込書のスコアリングと信用情報のチェックが行われます。
信用情報はクレジットカードの審査においては大変重要で、たとえスコアリングが高得点でも、信用情報に問題があれば否決となることもあるのです。
個人の信用情報は、カード会社が信用情報機関に問い合わせると、すぐに分かるようになっています。
日本には3種類の信用情報機関がある
現在国内には3種類の信用情報機関があって、すべてのクレジットカードやローンの利用状況が漏らさず記録されています。
・CIC:シー・アイ・シー
・JICC:日本信用情報機構
・JBA:全国銀行個人信用情報センター
3つの信用情報機関はネットワークで繋がっていて、お互いに重要な情報(事故情報)を共有しています。
なのでどのクレジットカードを申し込んでも、長期延滞や自己破産したことはすぐにわかってしまうのです。
自己破産すると信用情報期間に登録される
ここで自己破産の手続きでは、弁護士が自己破産の受任通知をカード会社に送付すると、クレジットカードは強制解約されます。また長期延滞が続いた場合にも、やはりカードは強制解約となります。この情報が共有されれば、どのカードの審査にも通らなくなるでしょう。
また自己破産が確定すれば、3つの信用情報機関すべてがこの情報を共有します。そしてこの記録が残っている限り、どこで審査を受けても通りません。
自己破産は最長10年間登録される
自己破産が信用情報機関に登録されている期間は、CICとJICCが5年で、JBAは10年です。
自己破産以外の債務整理や2ヶ月を超える長期延滞の記録も、以下の期間中は事故情報として記録に残されています。
- 自己破産の登録期間:5年、JBAのみ10年
- 個人再生の登録期間:5年、JBAのみ10年
- 2ヶ月を超える長期延滞の登録期間:5年
自己破産の登録期間がカウントされるのは、裁判所から免責許可が出た時からです。なので延滞していた期間と自己破産の手続きにかかる時間を含めれば、審査に通らない期間は実際にはもっと長期間に及びます。
また登録期間が完了しても、自己破産の経験者は審査に通りにくいと言われています。これは登録明けの信用情報が、利用履歴のない真っ白な状態で、見ればすぐに自己破産の後だと分かってしまうためです。
自己破産経験者の方でも可能性があるクレジットカード
自己破産経験者がクレジットカードを申し込むことは、確かにハードルの高いチャレンジには違いないですが、決して不可能なことではありません。
自己破産した方には、これからご紹介すクレジットカードをおすすめします。ただし収入がキチンとあること、そしてもちろん延滞中でないことが条件です。
再出発を応援してくれる外資系!アメックスグリーンカード
アメックスグリーンカードは外資系のクレジットカードにて、審査基準が異なります。アメックスは国内のカード会社のように、過去のネガティブな履歴を重視しない傾向にあるのです。
また社内ブラック※についても、アメックスは寛容だったという実例があります。ただしこれも本人の属性次第で、全ての人が審査に通る訳ではありません。
・自己破産などで損害を与えた顧客を社内だけでブラック扱いにすること
・社内ブラックの登録は半永久的に消えない
・関連企業でも影響が出る場合がある
アメックスの審査では過去の延滞履歴よりも現在の状況重視の審査が行われる為、バリバリお仕事を頑張っている方は成功率が高くなります。
消費者金融系のカードでハードルが低い!ACマスターカード
次にご紹介するACマスターカードは、年会費無料で審査のハードルも低く、どなたでも申し込みやすいのが特徴です。WEB申込+むじんくん受け取りなら、スピード審査で当日発行も可能です。
消費者金融アコムのクレジットカードなので審査基準も独自で、登録明けの方には一押しです。ただしアコムが債権者だった場合(社内ブラック)のケースでは難しい為、そんな方はアメックスがおすすめです。
三菱UFJデビットは自己破産直後でもOK!
自己破産経験者でも希望が持てるクレジットカードをご紹介しましたが、特に信用情報に自己破産の記録が残っている間は、可決の可能性は正直かなり低くなります。
そこで今すぐカードが欲しい方に、自己破産した直後からOKの「三菱UFJデビット」をご紹介しましょう。
デビットカードは口座直結・即時決済型なので、審査なしで申し込むことができます。
もちろん信用情報もチェックされないので、自己破産登録中でも問題ありません。キャッシングは使えないものの、その他の使い心地はクレジットカードとまったく同じです。
年会費は永年無料、VISAブランドにはVisaのタッチ決済が搭載されていて、海外でもスムーズな支払いが可能です。
自己破産してもクレジットカードは作れる!手続き中の利用に注意
自己破産経験者でも、クレジットカードを作ることは作れることが分かりました。ただし信用情報に登録されている期間中は、審査可決の可能性はかなり低く、ごく限られたクレジットカードにしか希望が持てません。
しかし登録期間が完了すれば、可決の可能性は高くなります。審査の柔軟なカードを作ってクレジットヒストリーを増やせば、徐々に審査に通りやすい体質になっていくでしょう。
なお自己破産の手続き中は、くれぐれもクレジットカードで決済しないよう気をつけてくださいね。新たな債務が発生すると、免責許可がおりない恐れがあります。